コラム

歯医者でボトックス?実は身近な「噛みしめ治療」の話(テーマ:ボトックス 第1回/全6回)

「ボトックス=美容」というイメージを持っていませんか?実は歯科医院では、食いしばりや歯ぎしりによるトラブルを改善する目的でボトックス治療が行われています。顎の筋肉の過剰な緊張をやわらげることで、歯へのダメージや顎の疲れ、頭痛の軽減にもつながります。今回は、歯科で行うボトックス治療の基本について、院長の視点でゆるくお話しします。

ボトックスってそもそも何?

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「ボトックスって美容のやつですよね?」
患者さんから、かなりの確率でこう聞かれます。

たしかにテレビやSNSで見かけるのは、シワ取りや小顔目的のものが多いですよね。ただ、ボトックス自体はもともと医療の分野で使われてきた薬剤で、筋肉の動きをコントロールする作用があります。

美容だけじゃない医療用途

ボトックスは、筋肉の過剰な動きを抑えるために使われます。
例えば、まぶたのけいれんや肩こり、神経由来の筋肉の緊張など、実は幅広い分野で使われています。

つまり、「見た目を良くするためのもの」というよりは、
「筋肉の使いすぎを少し休ませる薬」というイメージの方が近いですね。

歯科で使う理由

歯科でボトックスを使う理由はシンプルです。
「噛む力が強すぎる人が多いから」です。

普段の診療でも、
・歯がすり減っている
・詰め物がよく外れる
・顎が疲れやすい
といった方は少なくありません。

その原因の一つが「食いしばり」や「歯ぎしり」です。
これをやわらげる手段として、ボトックスが使われるようになっています。

歯科でのボトックスは何に効く?

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「具体的に何がよくなるんですか?」
ここが一番気になるところだと思います。

歯科でのボトックスは、主に咬筋(こうきん)という噛む筋肉にアプローチします。

食いしばり・歯ぎしり

一番多いのがこのケースです。

日中、気づくと歯をグッと噛んでいる方。
夜、寝ている間に歯ぎしりをしている方。

これ、実はかなりの力がかかっています。
人によっては、自分の体重以上の力が歯にかかることもあるんです。

ボトックスで筋肉の力を少しゆるめることで、
・歯へのダメージ軽減
・詰め物や被せ物のトラブル減少
といった効果が期待できます。

顎の疲れや頭痛

「なんとなく顎がだるい」
「朝起きたら顎が疲れている」

こういった症状、意外と多いです。

さらに進むと、
・こめかみの痛み
・頭痛
・肩こり
につながることもあります。

筋肉の緊張が原因で起きている場合は、
ボトックスで緩めることで症状が軽くなるケースもあります。

なぜ歯医者がやるのか

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ここもよく聞かれるポイントです。

「それって美容クリニックじゃないの?」と。

もちろん美容クリニックでも行っていますが、
歯科で行う理由はちゃんとあります。


噛み合わせと筋肉の関係

歯科は、歯だけを見ているわけではありません。

・噛み合わせ
・顎の動き
・筋肉のバランス

こういったものをトータルで見ています。

食いしばりは「クセ」でもあり、「筋肉の問題」でもあります。
なので、歯と筋肉の両方を見ている歯科は、実は相性がいい分野なんです。

歯へのダメージを防ぐ

正直な話をすると、
「歯が壊れてから来る方」が多いです。

・歯が割れた
・詰め物が外れた
・被せ物がダメになった

これらの背景に、強い噛む力があることはよくあります。

そこで、
「壊れる前に力をコントロールする」という考え方が出てきます。

その一つの選択肢がボトックスです。

ボトックスは万能ではありません

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ここは少し正直にお話ししておきます。

ボトックスは便利な治療ですが、
すべての人に必要なわけではありません。

マウスピースで十分なケースもある

食いしばり対策としては、
・ナイトガード(マウスピース)
もよく使われます。

これで十分コントロールできる方も多いです。

なので、いきなりボトックスというよりは、
まずは状態を見て判断するのが基本です。

あくまで「選択肢の一つ」

ボトックスは、
・マウスピースが合わない
・症状が強い
・筋肉の張りが明らか
といった場合に検討されることが多いです。

言い方を変えると、
“必要な人には有効、でも全員にすすめるものではない”
という位置づけです。

まとめ

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歯科で行うボトックスは、美容目的ではなく「機能改善」を目的とした治療です。
特に食いしばりや歯ぎしりが強い方にとっては、歯や顎を守るための選択肢の一つになります。

とはいえ、すべての方に必要なわけではありません。
マウスピースなど他の方法で十分なケースもあります。

「最近、顎が疲れるな」
「歯のトラブルが多いな」

そんな方は、一度気軽に相談してみてください。
案外、自分では気づいていない原因が見つかることもありますよ。